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伊豆発!移住者が仕掛ける関係人口への挑戦

まちづくり
伊豆発!移住者が仕掛ける関係人口への挑戦
活動団体 NPO法人ローカルデザインネットワーク

関係人口とは、移住者でも観光客でもなく、様々な形で継続的に地域と関わりながら地域の活性化に取り組む人たちのことを指します。

静岡県東部の伊豆地域では、首都圏からのアクセスの良さを生かして、テレワークやワーケーションを通した新たな関係人口の創出が試みられています。
その代表的な事例が東伊豆町に移住し「NPO法人ローカルデザインネットワーク」を立ち上げた荒武優希さんの挑戦している取り組みです。

荒武さんは生まれも育ちも横浜という生粋の浜っ子。
しかし、九州で豊かな自然の中に暮らす祖父と過ごした経験から、田舎暮らしへの憧れがあったそうです。

大学に進学して建築士を目指していましたが、学生が中心となって地域活性化のために空き家を改修・活用する「空き家改修プロジェクト」に参加したことをきっかけに、まちづくりに取り組むようになります。

「2016年に『空き家改修プロジェクト』の一環として、東伊豆町の消防団の器具置き場を改修し、『ダイロクキッチン』というシェアキッチンを作りました。

その前にもコミュニティスペースを作ったことがあるのですが、人が常駐していなかったことであまり活用されなかったという苦い経験をしました。
そこで、地域おこし協力隊として東伊豆町に移住し、自ら運営することにしたんです」と荒武さん。

学生と地域住民でリノベーションして作り上げた「ダイロクキッチン」。 食をテーマにした多世代交流拠点と位置付けられています。 普段は、カフェやコミュニティスペース、チャレンジショップなどとして利用されています。

その後、荒武さんは活動を本格化すべく、学生時代の仲間たちとともに、「NPO法人ローカルデザインネットワーク」を設立します。
そして、次なるプロジェクトとして立ち上げたのが、海の目の前のコワーキングスペース「EAST DOCK(イーストドック)」です。

「東伊豆町では人口減少にともなう空き家の増加が問題となっています。
しかし、移住してもらうには雇用も少なくハードルの高さを感じる人も多いのが現実です。

そこで、関係人口を拡大すべく、『EAST DOCK』をオープンしました。地元の人たちのコミュニティスペースやものづくりスペースとして利用してもらうのはもちろん、二拠点生活者のサテライトオフィスや都会で働く人のワーケーションの場として活用してもらいたいと考えています。

そのために、企業と連携したり、学生のフィールドワークの拠点として活用してもらう計画を進めています。」と荒武さん。

稲取漁港にある「EAST DOCK」は、もともとフェリーの発券所として使われていた建物をリノベーションして作られました。1階はマルシェやワークショップを開催するイベントスペース、2階はコワーキングスペースになっており、備え付けのレーザーカッターなどの機械を使ってものづくりもできます。

今年10月、荒武さんは関係人口創出のための次の一手として、リノベーションプロジェクト「湊庵(そうあん)」をスタートさせました。

その第1号が、ゲストハウス「錆御納戸(さびおなんど)」です。
港町稲取の街並みにたたずむ古い民家をリノベーションした施設で、改修費の一部はクラウドファンディングの支援でまかないました。

「地域の方々と触れ合いながら滞在できる場所を作りたかったんです。
きれいな景色に美味しい海の幸や温泉など東伊豆町には多くの魅力がありますが、僕にとっては街並みや暮らす人々が一番の魅力でした。
それを最大限に伝えられる場所にしたいと思っています。
連泊して長く滞在しながら、テレワークや余暇を楽しみ、地域の人と交流する。そうして、人が集まってにぎわうことで、さらに人を呼ぶような形になれば理想的です」

“港町稲取の暮らしを旅する”をコセンプトに作られた「錆御納戸(さびおなんど)」。2階建で、1階がコミュニケーションスペース、2階が宿泊スペースになっています。「解体作業や塗装などできるところはすべて自分たちでリノベーションしました。最大5名が宿泊できます。」

ダイロクキッチン」、「EAST DOCK」、そして「湊庵」と点を打ち、精力的に地域の魅力を発信しつづける荒武さん。「よそ者だからわかる土地の魅力があるし、よそ者だからこそできることもあります。

地元の方々に敬意を払いつつ、東伊豆町のファンを一人でも多く増やすべく、これからも活動を続けていきたいです」と展望を語ります。コロナ禍を経験したからこそ、あらためて見直されている人と人、そして地域と人とのコミュニケーション。荒武さんの取り組みは、ニューノーマル時代における関係人口創出の大きなヒントとなることでしょう。